Twitterのフォロワーをお金で買ってはいけない
セキュリティの面白さと重要性をわかりやすく伝えたい……そんな想いを持った二人が邂逅。ほとばしる両者のセキュリティ情熱が激突した結果、過去にないセキュリティ・コンビが誕生。その名は「ピンク・ハッカー」。
今回はTwitterのフォロワーをお金で買うことについての危険性について斬り込みます！
Twitterのフォロワーが伸びない悩み
ピンク・ハッカーのブログもスタートしたし、より多くの人に読んでもらうため、Twitterで告知をしないとな？ しかし、始めたばかりなので、フォロワー数が少ない。フォロワーが1000人ぐらいいたら、新着記事の宣伝とかが楽ちんにできるんだよな？ フォロワーが簡単に1万人ぐらい増えないかな？
Twitterのフォロワーがなかなか伸びないピンク・ハッカーのアカウント（@pinkhack3r）
何を悩んでいるんだい、ミスターピンク。どうせ拾った宝くじで1億円当たらないかな？ なんて考えていたんでしょ？
失礼な！ このブログの宣伝に使っているTwitterフォロワー数が少ないので、どうやったらフォロワーが増えるか、考えていたんだよ。
なんだい、そんなことだったら、凄腕セキュリティエンジニアの私に相談してくれたら良かったのに。いい方法があるよ。
え、そんなことができるの？
ああ、簡単さ。お金を出してフォロワーを買って増やせば良いんだよ。
……。フレッシュ・プリンス、そのアイデアは嬉しいんだけど、それはとってもリスキーだ！
え？ なんで？ 手軽に増やせるのに？？
うん、ダメだよ。今回はTwitterやInstagramのフォロワーやFacebookの友人を「お金で買える」という、限りなく黒に近いグレービジネスの紹介とともに、その危険性をお伝えします。
お金で購入するメリット
危険性の前に、お金でフォロワーを買うメリットについては、僕が解説したいね。今回のピンク・ハッカーのTwitterアカウントもそうだけど、SNS世界ではフォロワー、友達という数は、そのままアカウントの信用に直結している。だって、同じ発言をしていても、フォロワーが10のアカウントより、絶対に10万人の方が信用される傾向がある。もしフォロワーが10万いるTwitterアカウントが「パスワードは1時間に1回変えるのが、正しいパスワード管理方法である」と呟いたら、信じちゃうもんね。
セキュリティの専門家だから、それは信じちゃだめでしょ！ でも、その気持ちは分かるね。セキュリティに関しては、知識があるからデタラメな発言は見ぬく事ができるけど、これが「トンガ王国の偽エピソード」とかだったら、信じてしまうかもしれない。フレッシュ・プリンスが言うように、Twitter界においては、フォロワー数のデータは、そのまま信用力・影響力だと言って良い。
Twitterのフォロワー数を増やす方法はいろいろあるけど、基本的には面白い発言をしたり、影響力があるユーザーに絡んでみたり、フォロー数を増やしたりと、アリさんよろしくコツコツとやっていくしかない。しかし、私は努力が嫌いなキリギリス派です★
しかも、王道的なフォロワーアップのやり方だと、手間だけでなく時間がかかる。
地獄の沙汰も金次第、フォロワー数も金次第……ということで、お金を払えばフォロワー数をババーンと増やしてくれるサービスがあるのです。ビバ資本主義！
後で詳しく＆しっかり述べますが、これはTwitterの規約違反かつペナルティがあります。デメリットを解説するまえに、いったいどんな業者があって、どれぐらいの金額でやりとりしているか見てみましょう。
アカウント売買サービスの実態
さて、名前とURLは出せませんが、某アカウント売買サービス。恐らく、これが日本でいちばん充実しているサイトでしょう。
そうそう、私もこのサイトで買おうとした。
Twitterのアカウントやフォロワー、Facebookの「いいね」などを売買しているサイト
このサイトの特徴は、日本人のフォロワーを販売している点でしょう。海外のサービスは海外のフォロワーばかりになってしまう。いくらフォロワーが1万人いても、99％が海外の人だったら明らかに怪しい！
しかも、アカウント開設してから1日目で、ツイート数が1だったら、かなり笑える状況になります。
日本人2500人フォロワーでお値段2400円と1フォロワーあたり0.96円。日本人1万5000人フォロワーで1万3000円、1フォロワーあたり0.86円、となっております。
ディスカウント率はあんまり良くないね。
小学生のお小遣いでも買えるお値段設定
ちなみにこのサイトは手広くやっていて、電話認証済み・メール認証済み Twitter新規アカウントも売買している、こちらは10個で1750円。さらに、リツイートしてくれるサービスもあり、こちらは1000リツイートで2500円だ。
「アルミ缶の上にあるみかん」「腸が超痛い」「電話しても誰もでんわ」といった、普段使ったら縛り首にされてしまうような親父ギャグツイートでも、このサービスを使えば1000リツイートもしてくれるのか……それは、魅力的だな。
プリンス！ 惑わされちゃだめだ!!
この会社はInstagramのフォロワーも販売しているぞ。1000人で2400円だ。さらにFacebookの「いいね」は1000いいねで4500円、YouTubeのチャンネル登録者数は100人で4000円だ！
えええ？ さっきは「地獄の沙汰も金次第」、なんて、カッコ良くいったけど、実際ここまでお金で買えちゃうと、どん引きだわ。
海外でも似たようなサービスがあるんだけど、それらと比べても、このサービスは安い。限りなく黒にちかいグレービジネスでなければ、「お勧めです！」と言っちゃいそうだ。
購入は絶対にしてはいけない！
ピンクも、フォロワー購入のメリットが分かってきたようだから、そろそろ購入しようか。領収証は出るのかな？
出るよ……というか、この手のサービス使っちゃダメ、絶対ダメ！
え、なんで？ 理由は？
使っちゃいけない理由はいくつかあるけど、まずは規約で禁止されている。Twitterの規約ではスパムや不正行為については次のような対処をすると記述している。
Twitterは不正利用やスパムからユーザーを守るよう努めています。以下のような行為をしているアカウントは、一時的または永久に凍結されることがあります。
そして、フォロワーなどを購入するサービスについてこのように書いている。
・アカウントへの反応 (フォロワー、リツイート、いいねなど) を購入または販売した場合
・"フォロワー獲得" などをうたう第三者によるサービスまたはアプリケーション (フォロワートレインや、"フォロワー急増" を約束するサイト、その他自動的に自分のアカウントにフォロワーを追加するようなサイトなど) を利用したり利用を助長したりした場合
もしフォロワーをお金で買っていることが判明したら、アカウントが凍結される可能性があります。
でも、バレなきゃいいのでは？
実は、フォロワーをお金で買ったかどうか調べてくれるツールがあるので、簡単にバレます。例えば「Fake Follower Check」というWebサービスを使えば一発でわかる。調べたいアカウントをいれて、ボタンを押せば、フォロワーのフェイク……つまり、購入したと思われる怪しいフォロワー、スパム、偽アカウントなどの数が全体の何パーセントか教えてくれるんだ。
怪しいフォロワーの全体数を教えてくれるWebサービス「Fake Follower Check」
そんな面白いサービスがあるんだ！ 早速スプラウトの公式アカウントをチェックしてみよう。Fakeで11％も出たよ！
なんとスプラウト公式アカウントのフェイク率は11％
落ち着いて、プリンス。11％は高く見える数値だけど、スパムアカウントも含まれているから、そんなに気になる数値じゃない。フォロワーを買っているアカウントだと、次のような結果になる。
フォロワー数が19万人もいる、某グラビアアイドルのTwitterアカウントフェイク率はなんと94％！！
ひえ？ これは凄いね！
フォロワーの購入はTwitterから凍結といったペナルティを与えられなくても、「フォロワーをお金で買った」ということが、みんなに知られた場合、信用がガタ落ちします。
「あの会社は、フォロワー数をお金で買ったんだ？ へー ふーん、カッコ悪いね」と言っちゃうね、私なら。
さっきまで購入を考えていた人間とは思えない発言だけど、内容はその通り。Twitterのフォロワー購入はとってもリスキーな行為なんだ。
なるほど、よーくわかった。つまり、嫌いなTwitterユーザーに対して（自粛）すればいいね。
そんな実践的な攻撃手法は言っちゃだめだ。しかし、もしその攻撃をされたらやっかいではあるね。この話題はいろいろと闇が深いので、ピンク・ハッカーではこれからもリサーチを続けています。
私はウッカリ申し込みそうになったけど、良い子のみんなも悪い子のみんなも、この手のサービスを使っちゃダメだぞ！
アカウントが凍結されたり、バレたらカッコ悪いもんね！
それではまた来週。
